水晶岳登山 [山日記]
2015年7月11日(土) 北アルプス水晶岳登頂を目指して出発
第1日
6:50 息子と相模大野で合流して出発。圏央道、中央高速を経由して松本へ向かいました。
10:30 国道158号線を通って安房峠を超えて新穂高温泉に着きました。
11:16 身支度をして登山センターで登山届をだして歩き始めました。良く晴れて山には谷筋に
残雪が見えました。
道は舗装があったりなかったりするものの、車が通れる広さがありました。
日向は暑いのですが木陰は涼しく快適でした。
12:30 笠新道入口
12:43 わさび平小屋
13:03 奥丸山分岐
わさび平から先も車が通れる道が続き、奥丸山分岐というところで道は川を渡って
右手に伸びていましたが、我々が目指す鏡平は橋のたもとを川に沿って登っていく
のでした。ここからが実質的な登山の始まりでした。
左手から落ち込んでくる谷には残が豊富に残っていました。
途中きれいなつつじが咲いていました。
14:19 秩父沢
シーズン中は橋が架けられているそうですが、雪が多くまだ橋が架けられていません
でした。大量の雪が沢を覆いつくしているので、我々はアイゼンをつけて慎重に
雪の上を渡りました。
15:08 少しずつ高度があがり、振り返ると乗鞍や焼岳が見えるようになりました。
16:41 抜戸岳の尾根がすぐ後ろに迫って見えました。
17:06 鏡平着
小屋が近づいたと思う頃、池が現れました。そして池の向こうに槍ヶ岳が見えて
いました。槍から伸びる尾根を右にたどれば穂高連峰が厳しい山容を見せて
いました。鏡平山荘はここからもうすぐでした。
17:17 鏡平山荘着
この山荘は昨日開いたばかりで、我々は小屋開き2日目の客でした。
食事のあと、夕映えの槍ヶ岳を見に池に行ってみました。池に槍ヶ岳が映る
のが小屋の自慢でした。
20:00 消灯
第2日(7月12日)
4:10 夜中に起きてみると月が出ていたので、池に映った槍ヶ岳と月の写真が撮れるか
と思い池へ。
時刻が少し遅く、月が上がりすぎてしまいました。池の面は昨日のように鏡面ではなく
わずかに波が立っていました。
5:15 出発
5:27 西鎌尾根に朝日が上がりました。
5:46 振り返ると乗鞍岳が美しい山容を見せ、その手前に荒々しい焼岳も見えました。
6:26 弓折岳分岐点着
分岐点の立札があってちょっとした大きさの雪田がありそれを超えて双六への道に
入りました。ここからは尾根道の始まりでした。
目標の山、水晶岳が見えました。
右手奥に小さく見える山。中央に見えるのが鷲羽岳、その左側にちょこんと見えるのが
今回の目標、水晶岳と思われました。
6:58 尾根道は見晴らしがよく、気分は最高でした。
双六小屋に向かう方向に対して、右後に見える槍ヶ岳の存在感は圧倒的でした。
7:12 クロユリベンチ
尾根道の鞍部にベンチがあり、カンバンには「クロユリベンチ」と書かれていました。
よく見ると草むらにはクロユリがたくさん咲いていました。
8:01 双六小屋到着
小屋の下側にはテント場があり、色とりどりのテントが張ってありました。
私も大昔、妻と大雨の中、ここにテントをはりました。
テント場の下側には池があり、道は池の脇を通り、テント場を抜けて小屋へと
続いていました。
小屋はとても大きく、外にもトイレがあり、借用しました。きれいに清掃され、
においもなく気持ちの良いトイレでした。
8:13 双六小屋発
8:49 巻道分岐
中道が良いとの情報を得ていたので、巻道には入らず直進。
8:53 中道分岐
双六岳直登の道を左に分けて中道は直進です。
9:13 春道分岐
双六岳へのもう一つの道が左に伸びていました。直登ルートは
急な斜面に雪がべっとりとついていましたがこちらは傾斜も
少し緩やかで、雪も少ないようでした。まっすぐ中道を進みました。
9:41 中道は雪解け水で小川の中を歩くようなところもありましたが、
おおむね緩やかな高原を行くといった趣のところで、高山植物も
たくさん咲いていました。
三俣蓮華岳の登りが始まる頃、黒部五郎岳が見えるように
なりました。そしてもう一つの黒部の雄、薬師岳も全容を
現しました。さらに遠く西の空に浮かぶように加賀の白山が
見えました。
10:02 三俣蓮華岳を登る辺りから笠が岳が見えました。
水晶岳
水晶岳の左手奥に小さく立山、そして剱岳が見えています。
薬師岳
10:45 三俣蓮華岳到着
西側に黒部五郎岳、北西に薬師岳、北から北東方向に水晶岳、鷲羽岳、
南西には笠が岳、南東から南には穂高連峰と360度天下の名峰を
見渡すことができました。
11:08 三俣蓮華岳出発
急な下りを一気に下ると巻道に出会いました。
11:24 三俣峠
峠からは緩やかになった這松の中の道を小屋に向かって下って行きました。
小屋が近くなると道には雪解けの水が小川のように流れていました。
11:58 三俣小屋着
小屋でお昼ご飯を食べました。
体力は限界に近く、ここからこの日の最後の難関鷲羽岳を超えると思うと
気が遠くなるような思いでしたが、食事を済ませるとすぐに気を引き締めて
出発しました。
12:22 急な登りが続きましたが、結構持ちこたえることができました。
鷲羽岳の頂上に着く少し手前で、稜線の東側の一段下がったところに
火口湖のような池がありました。鷲羽池というのだそうです。
13:35 鷲羽池と槍ヶ岳
13:48 鷲羽岳到着
雲ノ平と黒部五郎岳との間に切れ落ちた谷は黒部川源流です。
谷底まで見渡すことができ、そこはすでに小さな川の流れがあるように見えました。
黒部五郎岳と黒部源流
14:00 鷲羽岳出発
14:41 ワリモ岳(通過)
ワリモの頂上付近は岩がごろごろしたところで道は頂上を通らず、
道標があったのでそれとわかりました。
岩場を超えると広い緩やかな尾根道になりました。
15:11 ワリモ北分岐
ここで雲ノ平の方へ行く道が西の方に伸びていました。
15:55 水晶小屋到着
ワリモからは緩やかな道が続いていましたが、少し道が険しくなり
それを登り詰めると水晶小屋分岐という道標があり、すぐ先に小屋がありました。
小屋の受付だけ済ませて、水晶岳に向かいました。
水晶岳の頂上が近くなるまではのんびりした稜線の道でしたが、頂上が近くなると
道は急に険しくなり岩場が続きましたが、何とか頂上に着きました。
16:44 水晶岳到着
百名山99座目がやっと達成できました。感無量でした。
小屋に戻るとすぐに食事ができました。
小屋は若夫婦がやっていて二人の小さな女の子も一緒に生活をしているの
でした。お姉ちゃんの方は4、5歳でお客さんに食事の用意がができた
ことを知らせたり、食券の半券を切ったりして、小屋の仕事をしっかりと
手伝っていました。
第3日 (7月13日)(月)
4:36 起床
夜中、時折、強風で、木造ながらがっしりした小屋がゆすられるのを
感じました。足が冷えてぐっすり眠ることができず、いつしか明け方に
なりました。外へ出てみると、幸い雨は降っていませんでした。
表銀座の方面が朝焼けできれいでした。
5:30 食事。
疲れていましたが食事はおいしく、ご飯はお代わりをしました。
朝、水晶岳にもう一度行ってから帰路に就く予定でしたが、疲労が
たまっているので、小屋からまっすぐに戻ることにしました。
5:54 水晶小屋出発
小屋の小さな女の子がお母さんに抱かれて我々を見送ってくれました。
後ろ髪を引かれる思いで、小屋を後にしました。
朝、起きた時より雲が少なくなって、遠くの山も見えるようになりました。
ワリモ岳までは緩やかな道が続きます。
振り返ると遠くに後立山の山々がくっきりと見えました。
6:28 雲ノ平への分岐(ワリモ岳の北側)
6:52 ワリモ岳(頂上は通らず)
7:30 鷲羽岳
しばし休憩。さえぎるもののない頂上の展望を楽しんでいると
槍ヶ岳の左側に富士山が見えているのに気が付きました。
7:55 鷲羽岳発
8:48 三俣小屋着 一休み。
9:05 三俣小屋発
10:04 三俣峠
疲れてはいましたが双六頂上をまだ諦められず、三俣蓮華岳への
道を選びました。
雪渓の傾斜が急なところはアイゼンを付けて登りました。
三俣小屋から見る三俣蓮華岳はかなり登りでがあるように見えましたが
あまり苦しむことなく頂上に着きました。
10:22 三俣蓮華岳着
あまり休むことなく先へ進みました。
11:28 双六岳分岐
往路たどってきた中道と双六岳頂上を通る山頂ルートの分岐点です。
我々は躊躇なく頂上ルートを選びました。
この辺りにはかなり広い範囲にクロユリが咲いていました。
頂上ルートはカールの縁のような尾根道で、カールの中腹を巻くのが
中道、カールの底を歩くのが巻道と言った感じです。(双六岳北側に
広がるこの緩やかな地形がカールなのかどうかはわかりませんが)
12:05 双六岳頂上着
槍ヶ岳や奥穂高連峰や笠が岳と言った南側に連なる山々は頭を雲に
隠してしまい黒部五郎や薬師岳も頭が見えない時間帯が増えてきました。
表銀座や裏銀座の山々とずっと遠く立山、剱岳と言った山はまだ視界の
中にありました。
12:29 双六岳出発
初めは中道分岐まで引き返すつもりでしたが、まっすぐ双六小屋へ向かう
道は踏み跡があったので、行けるところまで行ってみることにして出発
しました。
12:36 ライチョウとの出会い
下り初めて間もなく道のすぐ近くに歩いている雷鳥を見つけました。
何羽かの雛を連れていました。しばし必死でカメラのシャッターを押し続け
ました。
12:50 春道分岐
中道を通った時に「春道分岐」というのがあったことを思い出しました。
直登ルートではなく途中で左に入り中道に下りるコースがありました。
少し急な斜面を雪渓の上を歩いたりしながら中道まで下りました。
13:06 中道合流
中道まで下りると、そこは1日前に通った道で、雪解け水で川のように
なった緩やかな道を進むだけでした。道の周辺はお花畑が広がって
いて、白山イチゲ、信濃キンバエ、キバナシャクナゲ、などが咲いて
いましたがまだ花は多くありませんでした。
13:26 巻道分岐
13:41 双六小屋着
計画ではここに泊まる予定でしたが、時間も早いので鏡平まで下りる
ことにしました。小屋に話すと経営が同じなので快くキャンセルに応じて
くれ、鏡平山荘に連絡もしてくれるとのことでした。
13:52 双六小屋発
テント場の下の池までは下りでしたが、その先は登りが多く、疲れて
いるせいもあってかなりきつい行程でした。
14:45 クロユリベンチ
一休みしてまたクロユリを写真に収めました。
15:25 弓折岳分岐着
ここに荷物を置いて弓折岳へ向かいました。
しばらく行くと道に道標はあるのですが、山の名前がありません。
そんなわけはないと息子が探すと、道から少し脇に入ったところに
「弓折岳」がありました。すぐ近くと思いきや結構時間がかかりました。
16:02 弓折岳分岐
16:50 鏡平山荘着
雲が低く、槍ヶ岳や奥穂高岳は見えませんでした。
小屋の外にあるテーブルで、息子と二人、生ビールで乾杯しました。
ビールを飲んでいるとき、水場からのパイプがつながって、小屋の
水が使えるようになりました。
第4日(7月14日)(火)
5:00 起床
5:30 食事
6:24 小屋出発
時折強い雨が吹き付けているので、雨具を付けて出発。
8:01 秩父沢
8:55 奥丸山分岐
9:13 わさび平小屋
9:24 笠新道入口
10:12 新穂高ロープウエイ
10:49 駐車場
11:00 深山荘(温泉)で着替え
駐車場のすぐそばに温泉宿がありそこで温泉に入れてもらいました。
川の流れのすぐそばで露天風呂に浸かってすっきりしました。
11:28 家路に向け出発
途中、平湯で飛騨牛を食べて、今回の旅は大満足でした。
完
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